介護保険で使えるサービスは?
細かく分けるとたくさんありますが、分かりやすくまとめると下記の3つになります。



今回は主に居宅サービスについて説明していきます。
居宅サービス(在宅で生活しながら受けられるサービス)
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリ(デイケア)
- 訪問介護
- 訪問看護
- 訪問リハビリ
居宅サービスにもさまざまなサービスがありますが、よく使われる代表的なサービスについて説明します。
まずは通所系サービス(送迎車にて自宅からサービス事業所までの送り迎えがあるサービス)について説明します。
通所系サービスは主に下記の2つに分かれます。
利用者の孤立防止や、介護者の負担軽減を主な目的としています。サービスの内容としては、送迎車がご自宅からサービス事業所まで送迎を行い朝から夕方、もしくは半日を過ごします。利用者様のケアプラン内容により、入浴がある方とない方に分かれます。利用者に楽しんでもらうことが主な目的であるため、運動は集団での体操や、トレーニングマシーンを使った運動が多くなります。
- 1日型のデイサービス
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朝9時頃から夕方17時頃まで事業所内で過ごします。(サービス事業所によって時間帯は違います!!)
朝の送迎バイタルチェック運動入浴昼食昼寝・休憩集団体操・レク
というのが基本的な流れになります。 - 半日型のデイサービス
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朝9時頃から11時半もしくは、午後13時30頃~16時頃までで、午前か午後のどちらかの利用となります。半日型のデイサービスではリハ特化型の所も多く、入浴や昼食の提供はなく、マシーンを使った運動を中心に行います。1日過ごすのは長すぎるけど、運動はしたいという方が好んで利用されます。
1日型は女性の利用者が多く、半日型は男性の利用者が多い印象です。
デイサービスには専門のリハビリスタッフがいる所もあればいない所もあります。運動はあってもスタッフと散歩したり、集団で体操をするなど、運動不足の予防程度の運動になります。トレーニングマシーンもない所もあります。初めにも書いてあるように、利用者の楽しみや介護者の負担の軽減を主な目的とするならば、デイサービスを選んだ方がいいと思われます。行ってみたいデイサービスがどのような事をしているのか、しっかり調べて選んで下さい。
デイサービスでは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の専門のリハビリスタッフはいなくてもよいのですが、デイケアでは専門のリハビリスタッフの配置が必須になっており、「機能の維持回復訓練」や「日常生活動作訓練」が受けられるサービスとなっています。デイサービスとの大きな違いとしては、個別で専門のリハビリスタッフがリハビリを行うため、個々に必要な運動を評価し、指導をしてくれます。
デイケアには必ずリハビリのスタッフがいますが理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が全て揃っているわけではありません。特に言語聴覚士がいる所は少ないです。事業所によってリハビリスタッフの配置も様々で、多い所もあれば、少ない所もあるため、毎日リハビリができる所もあれば、週に2回以上通っているのであれば2日に1回のペースでリハビリをする所もあります。注意して欲しいのは、リハビリ専門の病院ではリハビリが午前1時間、午後1時間など長い時間行われるのが普通ですが、介護保険では基本的に1回のリハビリは20分程度になります。
- 利用時間(お家に迎えに来て家に帰ってくるまでの時間)
- 何回利用できるのか?
- 利用者を楽しませるためにどのような活動、レク、体操などをしているか?
- 運動がしたい人は、運動をするための道具や機械はあるのか?
- この事業所の特徴、売りはなんなのか?
デイサービスは楽しみや、孤立防止、介護者の負担軽減を主としています。なので、上記のことを確認した上で利用を検討した方がいいと思います。
- 利用時間(お家に迎えに来て家に帰ってくるまでの時間)
- 何回利用できるのか?
- 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のどのリハビリの職種がいるのか?
- リハビリができる頻度(毎回受けられるのかどうか?)
- 1日の活動内容
- この事業所の特徴、売りはなんなのか?
デイケアはリハビリをすることを主としています。なので、目的にあったリハビリが受けられるのかどうなのかしっかり確認した上で利用を検討した方がいいと思います。
上記では自宅から送迎バスに乗って通う、通所系のサービスについて説明してきましたが、今度は自宅に来てもらいサービスを受ける訪問系のサービスについて説明します。訪問系のサービスは主に下記の3つに分かれます。
訪問介護とは、自分や家族だけで日常生活を営むことが難しくなった要介護者に対して、介護福祉士やホームヘルパーが自宅に赴き、入浴、排泄、食事や着替え等の介助を行う身体介護と、掃除、洗濯、調理等の援助、通院時の外出移動サポート等の日常生活上のお世話を行う生活援助を受けられるサービスです。訪問介護を利用できるのは、居宅で生活を送る、「要介護」と認定された人です。ここでいう「居宅」には、自宅のほか有料老人ホームなどの居室も含みます。
- 身体介護とは?
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身体介護は、利用者の身体に直接接触して行われるサービスです。食事介助、衣服の着替え援助、入浴介助、トイレ誘導やオムツ交換などの排泄介助、身体の清拭(身体を拭くこと)、体位変換(身動きが取れない人で褥瘡[床ずれ]ができないように動かすこと)など、利用者の体に直接触れて援助を行います。その利用者の状況に応じて、自立援助の目的で見守り、専門的な相談、指導も受けられます。
- 生活援助とは?
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生活援助は、日常生活の援助であり本人にかわり身の回りのお世話を中心とするサービスです。具体的には調理、掃除、洗濯、衣類の整理、生活必需品の買い物、薬の受け取りなどを行います。
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生活援助に関しては同居する家族がいる場合は基本的にサービスを受けることはできません。介護保険の基本的な考え方は本人の自立を支援することです。つまり、本当にできないことを手伝いすることであるため、本人ができることや、家族ができることに関してはサービスの対象外となってくるので注意が必要です。
訪問看護とは、主治医の指示に基づき、保健師、看護師、理学療法士等が、このサービスを必要とする方の生活の場である家庭を訪問し、病状の確認や点滴、医療機器の管理など、健康上の問題や生活上の障害のある方々に対して専門的なケアを提供するサービスです。サービスを提供する事業所は、病院や診療所内に事業所がある場合と、訪問看護ステーションがある場合があります。
訪問介護の主なサービスとしては
●病状の観察、体温、血圧などのチェック
●清拭、洗髪、入浴などの清潔に関する援助
●褥瘡(床ずれ)の処置やその予防
●カテーテル(体に挿入されている管)の管理
●医療機器や点滴の管理
●食事や排泄の援助
●リハビリテーション
●介護予防
●ターミナルケア(在宅での看取り)
●家族への介護指導・相談
等があります。
訪問看護を利用する場合、必ず主治医が訪問看護指示書を交付しなければいけないため、ちょっとした状態の変化など、看護師を通し主治医と連携が取りやすいため、実際には自宅での看取りをされる方や、在宅酸素を使用している方など、医療的な処置が多い方や、病状的に本人、家族の不安が強い方がサービスを利用されることが多いです。
訪問リハビリテーションとは、病院、診療所、介護老人保健施設の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が利用者の自宅を訪問し、心身の機能の維持・回復、日常生活の自立を支援するために、リハビリテーションを行うサービスです。また、介護する家族へのアドバイス・相談も行います。病院やリハビリテーション施設への通院が困難な場合、退院・退所後の日常生活に本人や家族が不安がある場合など、主治医により訪問リハビリの必要性が認められた場合にサービスを受けることができます。通所リハビリテーションと違う点は、実際の生活環境に添った訓練ができること、利用者本人がリラックスして行えることです。
訪問リハビリテーションの必要性のある状態は以下のようなものがあります。
●筋力が低下して歩くことに不安がある
●手の動きが悪くなってきた
●言葉がはっきり出せずに会話に支障が出ている
●日常生活に対して不安な部分がある
●食べ物にむせるようになった
●麻痺や拘縮がある
●どんなリハビリを行えばよいかわからない
●体の動きが悪く好きなことが行えない
●福祉用具の使い方がわからない
等があります。
訪問リハビリテーションは、介護保険のほか、医療保険でも利用することができます。原則として要介護認定を受けている方は介護保険が優先です。しかし、65歳未満や65歳以上でまだ要介護認定を受けていない方は医療保険で利用します。訪問リハビリは、訪問介護のサービスでも利用できますが、サービスの内容に大きな違いはありません。訪問看護による、医療的な処置が必要であれば同じ事業所で看護もリハビリをお願いした方が情報共有がしやすいので同じ事業所に頼んだ方がいいと思います。
まとめ
今回は介護保険の中でもっとも利用頻度の多い、居宅サービスについて大まかに説明しました。介護保険を利用するためにはケアマネージャーが作成するケアプランというものに、“どのような目的で、どのようなサービスを利用する”という明確な記載がありますが、ほとんどの場合、『歩きにくくなったから歩く練習をする』など、個人の障害に対する対処療法的な目的が多いように感じます。『なんのために』歩く練習をするのか?、その人の生きがいや楽しみ、やりたいことはなんなのか?をしっかり追及した上で、その人のニーズにあった上記のサービスを活用してもらえたらと思います。


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